桃の節句ひな祭りの雛人形・雛飾りには、
日本古来よりの伝統工芸として吊るし飾り(つるしかざり)があります。
吊るし飾りは吊るし雛とも呼ばれていますが、
雛祭りの際に、糸の先に布製の人形などを吊るして
ひな人形とともに飾るのが一般的です。
最近ではインテリアとして、折り紙やビーズを糸の先につけて飾った物を
吊るし飾りと呼ぶ場合もあるようです。
伝統工芸としての吊るし飾り・吊るし雛としては、
福岡県柳川市のさげもん、静岡県東伊豆町稲取地区の雛のつるし飾り、
山形県酒田市の傘福を称して、日本三大手芸とされています。
福岡県柳川市のさげもんは、柳川地区でひな祭りに飾られる雛飾りで
「さげもん」及び「さがりもの」と呼ばれています。
旧暦3月1日から4月3日にかけては「さげもんめぐり」が開催され、
柳川地区の各戸に吊るし飾りが飾られます。
吊るし飾りは、竹ひごに縮緬を巻いて作った輪に糸を7本掛け、
各々に7個(計49個)布製の人形を吊るし、
中央に柳川鞠を2個配したものを2組1セットとして雛壇の両側に飾ります。
小型の物は、糸5本、人形25体(5*5体)、鞠1個が標準となっています。
静岡県東伊豆町稲取地区の雛のつるし飾りは、
伊豆稲取地区でひな祭りに飾られる雛飾りで、
「雛のつるし飾り」及び「吊るし」と呼ばれています。
ひな人形の代わりに手作りの人形を飾ったのがはじまりとされ、
雛のつるし飾りは、娘の成人後にどんど焼きにくべる習慣があったため、
古い物は残っておらず、現存する最古の物は100年程度前の物だそうです。
雛のつるし飾りは、戦後、一時期廃れましたが、
平成に入って稲取婦人会が中心となって復興し地元の人に愛されています。
雛のつるし飾りは、竹ひごに縮緬を巻いて作った輪に糸を5本掛け、
各々に11個(計55個)布製の人形を吊るしたものを2組1セットとして
雛壇の両側に飾ります。
山形県酒田市の傘福は、酒田地区でひな祭りに飾られる雛飾りで、
「傘福」及び「笠福」と呼ばれています。
傘福は江戸時代北前航路で伝えられたとされ、
子どもが健やかに育つことを願い
傘に手作りの縁起小物をつるしたものです。
傘の内側に天幕を張り、親骨に紐をかけ先端に布製の人形を吊るします。
以上のように、雛飾りとしての吊るし飾り・吊るし雛は、
地域毎に特色のある風習にちなんだ情緒のあるものです。
子供の健康と成長を願いながら、地域文化と日本の美しい伝統を
これからも次世代へと大切に伝えていきたいですよね。
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